新NISA利用者にヒントも 日銀ETF含み益30兆円に - 日本経済新聞
株価下落時に機械的にコツコツ購入
「日銀が株で巨額利益を安定的に得た20年間」には、民間の投資家にとって参考になる要素もありそうだ。
銀行保有株について、日銀は悲観的な空気の中で皆が株を放り投げたような局面に買った。ETFに関しては、株価が多少なりとも下落した日に、感情を排して機械的にコツコツと買い取りを続けた。株価指数に連動するETFの購入には、投資する銘柄を広く分散させる効果もあった。このように購入の時期や対象を分散するとリスクを抑えやすい。
株式を安値で買い、リスクも抑えたこれらの手法には、もうけるために株を買ったわけではない日銀だからこそ実践できた面もあったかもしれない。中央銀行と民間投資家では取れるリスクに違いがあり得るし、日銀による大規模な資金投入自体が株価を下支えし日銀の投資収益率を上げた可能性もあるだろう。
とはいえ、日銀のやり方が安定的に巨額の利益を生んだのも事実。過去うまくいったやり方が将来も通用する保証はないが、日銀がなぜ利益を手にしたかを知るのは、個人投資家とっても意味のあることだと思われる。