「学長としてのビジョンと夢があるからです。私は教師の家庭に育ったせいか、教育・教養への憧れがあります。貧しかったがピアノを習ったり、世界文学全集を読んだりできた。非常に恵まれた文化的な環境があって、とりわけ西洋の文化に対する憧れを幼いときから持っていた。そこから得た喜びが大きかったのです。それを体験できる学生を育てたい。私が人生で経験した喜び、文学や芸術を体験してほしい。それがビジョンです」
「中学3年生のときにドストエフスキーの『罪と罰』を手に取らなければ、今の私はない。幼いときは出会いの可能性の宝庫です。特に二十歳くらいまでは何を手に取るかによって人生は変わる。教育という場を通せば、教養への入り口を与えることが可能になります」