Source - バンガード-長期・分散・低コスト-
ロバート・フロストの詩のある登場人物が賢明にも指摘したように、「問題から脱する一番の方法は、常にやり抜くこと」です。もちろんこの人物は市場のボラティリティ(注釈)について述べたわけではありませんが、十分に当てはまる内容です。
(注釈)
ボラティリティとは有価証券、ミューチュアル・ファンドまたは指数の値がどれだけ変動するかを指し、多くの場合、標準偏差またはベータといった数値で表現されます。ファンドのボラティリティが高いほど、高値と安値の差は大きくなります。
投資の初心者であれ、ベテランであれ、ボラティリティはいずれ経験することですが、問題はそれがいつ起こり、どのくらい続くかという点です。ボラティリティを回避することはできません。ただ、耐え忍ぶことならできます。
過去を振り返る
想像してみてください。2007年8月。あなたはS&P 500指数に連動するファンドに50,000ドル投資しています。2009年2月には、その評価額は25,000ドル—つまり最初の半分に減っています。この2年間の下落局面で、あなたはどうする(またはどうした)でしょうか?
2011年4月に時間を進めます。市場が底入れしてから2年が経過しました。市場の低迷期にも投資を続けていたら、元の投資額(2007年時点で50,000ドル、2009年時点で25,000ドル)は再び50,000ドルに戻っています。
⇒チャートを見てました。確かに戻っております。
後から見れば常にはっきり見える
これは世界恐慌以降、株式市場のボラティリティが最も高かった2007年から2011年までの実際の市場データに基づく現実的な例です。結局のところ、過去のパフォーマンスは将来のリターンを予告するものではなく、この期間から得られるインサイトは多くありません。しかし1つの慰めはあります。それは、市場は弾力的だという事実です。
私はファイナンシャル・アドバイザーとして、一時的な現象に基づいて自分のポートフォリオを変えることの危険性を知っています。しかし投資家としての私は、どのウェブサイトやニュースチャンネルを見てもボラティリティの話題で持ちきりの時に「雑音を排除する」ことの難しさを知っています。
私を含むほとんどの投資家は、下落局面では自分の資産を守ろうとし、上昇局面では利益を最大限に膨らませようとするのが普通です。こうした感情そのものは、資産配分を変えたり、長期的な投資目標の実現を脅かしたりすることはありません。しかしそれに基づいて行動すれば話は別です。
⇒2020年2月の暴落も戻るとしたら、当然、狼狽売りなどせず買い増して、市場が回復す上昇局面が来るのをじっと待つのが正解となります。
ボラティリティを切り抜けるための私のやり方はこうです。まず、ボラティリティが自分にどう影響するかを判断します。落ち着かない気持ちを受け入れ、気持ちを切り替えようとします。テレビを見たり、子どもとゲームをしたり、面白い本に没頭したりして気分を紛らわせるのです。それがうまくいかなかったら、2007年–2009年の低迷から回復した市場の弾力性を信じるのと同じように、自分の理性が勝つことを信じます。
時間は過ぎ去っていきますが、ボラティリティを乗り越えるためのヒントが色あせることはありません。ボラティリティは避けられませんが、正しい心構えで乗り切ることは可能です。