90s生まれミレニアル世代のメモ帳/備忘録

アメリカ東海岸の片隅から、読んだ記事や本で気になった箇所をメモするブログ。

水野弘道氏がどのようにして英語を学んだのか、駐在時代の話

水野弘道氏(以下、敬称略):今日は地方の大学からも大勢いらしているのですごく嬉しい。このたび、皆さんにも今後支払っていただく国民年金の最高運用責任者ということになった。将来の年金をちゃんとお返しするため…、払っても返ってこないと思っている方が多いでしょ?(会場笑)、きちんとやりますので収めてください。(04:37)

私はこの20年ほど海外にいる。ただ、元々は帰国子女でもなく大学も日本の学校を出ている。で、30歳の前にして初めて、当時務めていた日本の銀行の都合でロンドンに研修生として送られた。でも、研修生とは名ばかりで実際はオフィス引越しの手伝い。それで1年間、倉庫に篭ってダンボール箱の番号合わせなんかをしていたというのが初の海外経験だ。そこから英語を勉強してニューヨークとシリコンバレーで銀行の駐在員を経験し、2003年にロンドンのコラーキャピタルという投資会社に移った。だから帰国子女、ましてや海外の高校や大学を出た方々とはまったく違うタイプの、英語や異文化に対する苦労をしてきた。その辺は皆さんと共有できるかと思う。(05:11)

まず、いくつか失敗談をお話ししたい。私は銀行員時代、最後のおよそ5年間はニューヨーク駐在員だったけれど、ニューヨーク支店のなかでは極めて英語がうまいほうだった。だから、「俺の英語は通用するじゃないか」と思ってイギリスの会社に移ったところ、皆が何を言っているかほとんど分からない。皆さんも気をつけたほうがいい。日本企業の駐在員として英語が喋れるレベルでは、海外の会社で通用するとは限らない。向こうは日本企業の駐在員だと思って英語を喋ってくれているから。ましてや自分がお客さんだったり、駐在員としてやって来ていきなり上司になったりするから、下の人たちは自分に分かるような英語を喋る。それで、「できる」と思って転職をしたら、翌日から悪夢のような何ヶ月間が始まった(笑)。(06:23)

それともうひとつ。これは多くの人が経験すると思う。「日本の非常識=世界の常識」といったお話に関して言うと、かなりオープンマインドでいなければいけないと痛感している。先日、とある本に、「中国のスターバックスはスモールがない。中国人は見栄っ張りだからだ」と書いてあった。中国通を自認している方が書いた本だったけれども、スターバックスにスモールがあるのは、実は日本だけだ。そういう間違いがよく起きる。海外で何か違うことに接したとき、「あ、日本と違う」と。最初にそう思ってしまうと、向こうがかなり違うような感じがしてしまう。でも、実はこちら違うかもしれないのだけれど、そう気付くのに実はしばらくかかった。で、それができるようになってからは、「なんか違うな」と感じたとき、「違っているのはこっちなのか、向こうなのか」と毎回考えるようになった。それ以降、異文化での失敗が自分はかなり少なくなったと思う。(07:18)

Source - https://globis.jp/article/2624

 水野 弘道は、日本の投資家。世界的プライベート・エクイティ・ファンド初の日本人パートナーで、コラーキャピタルパートナーや、京都大学iPS細胞研究所特任教授を経て、年金積立金管理運用独立行政法人理事兼最高投資責任者を務めた。現在、テスラ取締役、経済産業省参与。

岐阜県多治見市生まれ[1]。岐阜県立多治見北高等学校を経て[2]、1988年大阪市立大学法学部卒業、住友信託銀行入社。1995年ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院卒業。2003年にはコラーキャピタルパートナーに就任し[3]、世界的プライベート・エクイティ・ファンド初の日本人パートナーとされる[1]。

駐在時代というのは、住友信託銀行と思われます。

英語インタビュー

英語の達人列伝: 水野弘道氏 日本生まれ日本育ち純ジャパから外資投資銀行のパートナー、GPIFの最高投資責任者、テスラの社外取締役 - YouTube