「なぜ投資は米国株式だけでいいの?」という疑問に対する川田氏の回答:日本、欧米、新興国は?

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世界の株式取引所の時価総額(下記のチャート②参照)をみると米国(3000兆円超)が突出しているが、世界の取引所に占める割合は40%だ。ならばあと60%もあるではないかと思うかもしれないが、私からみて世界で株式市場は米国だけだ。というのも公開市場で企業の持ち分を投資家に自由に売買させる、そしてその投資家を等しく扱っているのは極論すると米国株式市場だけ!他のマーケットはその国固有の制約がたくさんある。株式の本源的な価値が分かりにくい(分からないようにしている)ので正しい株価で真の所有者になることが難しい。例えば

*日本:市場の特殊性は自明だ。あれは投資家にリターンを返すマーケットではなく日本を背負う企業を応援するための“活動費”や“寄付”を募る市場だ。したがって見返りを求めるのは筋違いだ(オット!危ない)。さらに企業存在の本質は雇用を通じた社会の安定と納税を容易にするための器だと思えば日ごろのメディア報道が腹落ちする。そしてこれが日本人の価値観にドンピシャにフィットする極めてよくできた仕組みだといつも感心している。企業活動、納税、雇用、社会の安定効果の残余が株主への見返りと思えばあの投資リターンは当然でなんとなく清々しい(本当にそう)。

*中国:共産党支配の国が投資家と外国人にまともなリターンを提供するとは思えない。下記の記事にもあるように「株主より共産党重視」これが全てだと思う。
日経新聞中国企業、株主より共産党重視(一目均衡)上海支局 張勇祥 2019/3/11』 ~19年に入り世界で有数の上昇率となりながら、市場関係者からは中国株の長期保有を勧める声はあまり聞こえてこない。」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42291620R10C19A3DTA000/

*欧州:市場規模はドイツ(DAX30)とフランス(CAC40 )が大きいが、例えばドイツの時価総額は240兆円(19年2月末)で僅か30銘柄で市場の7割程度を占有。詳しいことは端折るが、要は日本と一緒で間接金融が幅を利かす。私の理解では、野放しに直接金融が発達すれば名もない野心家が一代(ここが肝心!)で国や地域の秩序をひっくり返すほどの力も貯えてしまうかもしれない。歴史と伝統を重んじる為政者と既得権益者はだれもそんな“異端者”の台頭を望まない。とにかく長く安定した秩序を混乱させる“暴れん坊”の登場は困るのだ。

つまり想定外の“革新”、“創造的破壊”は見たくない、これが本音ではないか?これらの国の株式は為政者と民意が間接金融の仕組みを通じで株主リターンをコントロールする。そんなエクイティ(持ち分)に成長投資の妙味はない。

新興国:為替をドルにペッグしないと資金が集まらない国は米国の金融政策に首根っこを抑えられている。そのような国のエクイティは米国株式のデリバティブ(派生商品)と言える。さらに「経済成長と株主利益は相関する」は現実にはそうなってない。これは学者の論証を待つまでもなく、現地で国家運営を眺め企業活動を経験すれば直感的に分かる。

まず当地の権力者が経済的な果実を独り占めしようとする。さらに経済成長のためには生活、ビジネスインフラで米欧日のグローバル企業に依存せざるを得ない。それらグローバル企業へのサービス使用料(例マイクロソフトのOS≒米国への納税)に経済果実の多くを吸い取られる。なので一般の投資家はリターンの分配で劣後するし、まして外国人投資家には「なぜ国富を外国人に安価に売り渡す必要があるのか?」とくる。これも当事者から見れば当たり前でまともな思考回路だ。元アジア株式の責任者、川田は新興国株式投資を信用しない。

そうやって世界の市場を峻別していくと最優先は米国株式市場だ、むしろ米国株式市場だけが異端、異質で特殊だと言える。これが私の実感で相当正しい(!、?)。

Source: https://www.kawataamekabu.com/editing-postscript/2019%e5%b9%b47%e6%9c%8829%e6%97%a5%e5%8f%b7%e3%80%8e%e3%83%90%e3%83%ad%e3%83%b3%e3%82%ba%e6%8b%be%e3%81%84%e8%aa%ad%e3%81%bf%e3%80%8f%e7%b7%a8%e9%9b%86%e5%be%8c%e8%a8%98/