90s生まれミレニアル世代のメモ帳/備忘録

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世界の「英語化」はいいこと? EF Englishtown CEOに訊く語学教育の最前線

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個人的な経験から、シリコンバレーの顧客と、アジアに位置するその顧客の契約工場contract manufacturer ("CM")と共通言語である英語でコミュニケーションが取れるのは便利だと感じました。電話会議などで母国語なまりの英語を聞き取るのは大変なときもありますが、慣れれば問題ないと感じました。中国、ベトナム、タイやマレーシアの会社とのコミュニケーションは英語で問題ないと感じました。

 

──グローバル化という掛け声のもと、世界中のあらゆる人が英語を学ぶようになっていくのは、必要なことだとは思いますが、一方で、そのうち世界の言語がどんどんなくなっていくようで、ちょっと抵抗も感じます。世界の「英語化」はいいことなんでしょうか?

いいことだとはわたしは思いませんね。ひとつしか言語がない世界が望ましいとは思いません。けれども多くの人がバイリンガルになっていくということは、こうした不可避の状況における理にかなった妥協だとは思っています。タタールスタンでわたしたちが手伝ったのは、第3言語の教育でした。彼らはロシア語が母国語で、英語が第2言語です。タタール語はその次に来る第3の言語ですが、彼らはそれを保存し伝えようとしていたのです。つまり未来は多言語だということになるのではないでしょうか。

確かにそうした流れは、英語圏に暮らす英国人、そしてわたしのような米国人にとって、アンフェアな有利さをもたらしますが、けれどもそれが今後ずっと英米人にとってアドヴァンテージであり続けるとは思いません。というのも彼ら自身、わたしもですが、英語以外の言葉を理解することなしに世界を理解することはできなくなるからです。

英語ネイティヴの人たちは何百時間もの時間を英語のレッスンに割く必要はありませんが、そのぶん語学の習得ということにかけては怠惰になっています。国際化、クロスカルチャーという観点から言うと遅れをとっているとさえ言えるでしょう。オバマ政権では、大学生が国外で学ぶことを推奨していますが、それはいいことだと思います。世界各国と同様、アメリカも多言語化への道を進んでいくことになるでしょう。その一方で、いま盛んに英語を学んでいる国々が、その途上で自国語を捨て去ってしまうことにもならないだろうと思っています。英語化が進めば進むほど、自分の文化的なルーツへの見直しも進むだろうと思うからです。

 

またこれ以外にも、テクノロジーがやがてこうした問題を意味のないものにしていくという議論もあります。つまり、ユニヴァーサルな翻訳サーヴィスができてしまえば、他国語を学ぶ必要すらなくなるという議論です。確かにそれは起こりうることだとは思いますが、それが実現した世界をわたしが生きてみることはないだろうと思ってます(笑)。

Source: 世界の「英語化」はいいこと? EF Englishtown CEOに訊く語学教育の最前線と「言葉の未来」|WIRED.jp