90s生まれミレニアル世代のメモ帳/備忘録

アメリカ東海岸の片隅から、読んだ記事や本で気になった箇所をメモするブログ。

Lifehacker(ライフハッカー)のライターが教える洋楽英語学習法 ~勉強嫌いな人でも音楽が好きな人なら英語はきっと上手くなる!

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 Lifehacker(ライフハッカー)のライターであり翻訳家であるまいるす・ゑびす氏が紹介する洋楽を使った英語勉強法を紹介いたします。氏の翻訳家という肩書がこの勉強方法が良いという説得力を持たせると思います。

 

音楽が大好きで、その頃から暇を見つけてはギターやピアノを弾いて、歌う、というキリギリスの真似ごとのようなどうしようもないことばかりを繰り返していました。当時聴いていた音楽も英語の曲が多く、自然と多くの英語曲をカバーしていました。その過程でずいぶん沢山の曲の歌詞を手当たり次第に丸暗記していったのですが、振り返って考えてみると、この歌詞の丸暗記が、英語という言語の習得に何よりも有益だったように感じます。

 

好きな歌手の曲を歌って真似る。歌詞を丸暗記することが何よりも効果があったという言います。歌詞を丸暗記するというのは一見難しそうですが、もともと歌詞を丸暗記しようと意図していたわけなじゃく、大好きな曲を夢中で聞いて歌詞て照らしわせて真似して歌っていたら自然に覚えていったのだと思います。私の場合はそうでした。

 

■歌詞を丸暗記するメリット
ざっくり考えてみて、歌詞を覚えることには下記のようなメリットがあります。
一曲という単位は丸暗記するのにちょうど良いサイズである
映画一本覚えたり、教科書のある部分を丸暗記したり、というのはなかなかハードで、実現までに時間もかかります。そして、実現したところで、それを実生活で役立てることはこれまた困難です。しかし、「一曲」というのは、大抵5分弱くらいで終わるので、丸暗記するにあたって、さほど無理のない丁度良いサイズではないかと思います。

 

ここでは丸暗記のメリットが書かれております。私も洋画より洋楽の一曲の丁度良い短さが魅力だと思います。

歌詞の暗記=英語の暗唱については、「暗記・暗唱」に対してマイナスイメージがあります。丸暗記してその一文だけを覚えても応用にはつながらないという思い込みがあります。実際、私もそう思っていました。大阪観光大学国際交流学部准教授である池田 和弘は。実際、暗記・暗唱は応用へとつながると言います。 なぜなら、脳はパターンの重なり具合を感知して、そこにある規則性を学び取ることで言葉を習得するからです。そのような学習の場合、文法、つまりプログラムを学ぶ必要がないからといことです。

私自身も歌詞の暗記・暗唱の蓄積が役に立っていると思います。歌詞で英文法を学ぶとこの表現のときは、難しい文法用語、過去分詞だの仮定法だと考えず、「こういう表現のときは~英語で言うんだ」と覚えているので、すぐにアウトプットできます。

 

メロディーに頼れば文章は覚えやすい
一つの曲を丸暗記するのは、フレーズブックから一つの文章を頭に叩き込む、という作業と違い、複数のセンテンスを順番通りに覚えて行く必要があります。ですが、曲というのは一つの物語になっている場合が多いので、一度内容を理解してしまえば、糸をたぐりよせるようにして記憶したり、思い出すことが可能です。


将棋のプロ棋士である羽生善治氏が何かのインタビューで「ある曲を歌い出しから順番に思い出して行くように、自分の指した将棋の棋譜を思い出せる」という話をしていましたが、物事は筋道を立てて覚え、筋道に沿って思い出す方が効率的です。なので、いつ使うか分からないようなランダムなセンテンスを覚えて行くよりも、実は簡単なはずです。しかも、曲には主旋律、メロディーと呼ばれる音のアップダウンがあり、歌詞というものはこのメロディーにジャストフィットするように作られているので、このメロディーを覚えてしまえば、覚えたセンテンスが間違っているとメロディーにフィットしないので、「なんか違うぞ」ということに嫌でも気が付くことになります。

 

私自身も経験しましたが、多くの人も同じように知っている曲のメロディーを聞くと歌詞が自然に思い出せられことが本当に多いです。右脳でメロディーを暗記し左脳で歌詞(言葉)を暗記しているから強烈に脳に刷り込まれるとイメージしております。

 

歌詞に使われている英語は会話でも使える
日本語の歌詞は、例えば「夜の静寂(しじま)に」など、普段会話で使う日本語よりもちょっと気取った言葉や使い回しが多いのですが、英語の歌詞はわりと会話言葉そのまんまだったりもします。なので、歌詞で覚えてフレーズをそのまま会話で使用しても、違和感のないことが多いです。めちゃくちゃ有名な曲の場合、その歌詞を会話の流れで引用することで笑いがとれることもしばしばあります。フォレストガンプの映画を見たことがある方は、ジョンレノンが出てきて、Imagineの歌詞をそのまましゃべるシーンがあったのを思い出してもらえると分かりやすいはずです!

 

歌詞に使われている英文をよく見ると本当に高度で実践的な英語が使われております。私が日系企業の海外事業部で翻訳してたり英文メールを書いたり電話会議が出来ているのは洋楽の歌詞で覚えた英文法が基礎となっております。

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音楽には時間軸がある
音楽は、リズムに合わせて進んで行くという不思議な特性を持っているので、タイミングよく歌詞を並べて行かないと、音楽として成立しません。実は会話も同じで、テンポよく受け答えしていかないと会話は成立しにくくなります。音楽に合わせて歌う行為は、この英語の時間軸、英語のリズム感に慣れるという意味でも効果があります。そして、日本語という言語は世界に数ある言語の中でもなかなかモノトーンな言語に分類され、リズムという概念自体があまりないように思うのですが、英語ではこのリズム感がなかなか重要です。そういう意味でも、音楽のリズムに便乗して英語のリズムを脊髄の奥に刻み込んでしまうと良いのではないかと思います。

 

これについては意識したことがなかったですが、英語のリズムになれらるという側面もあるのですね....暗記・暗唱でも声に出すというが基本だと思います。

 

発音の練習になる
発音がなかなか上手くならない...という悩みを抱えた方も多いようですが、ある程度大人になってからだと、英語を上手く発音できるようになるのは至難の業です。ですが、その対策として「同じフレーズを何度も聞く」ことで耳を鍛え、「何度もそのフレーズを真似して歌ってみる」ことで英語の発音に必要な筋肉をつけていくことができます。
日本語と英語は「音」の違う言語なので、普通の生活をしている日本人には、英語を話すために必要な顔や舌の筋肉が絶対的に足りません。英語らしい発音を心がけ、英語の正しい発音と自分の発音との違いに耳を傾け、自分の耳を発達させ、顔の筋肉を鍛え、舌の動かし方を体得していくことでしか発音は上手くならないものです。しかし、何もない状態で部屋で一人で発音の練習をするのは何かの拷問ではないか...と思うくらい退屈な行為なので(それはそれである程度は僕もやっていましたが)、その代替策として曲を覚えて行くという手法を取りましょう。歌のお手本があると、何度も繰り返しやってみることがさほど苦痛ではない環境を作り出すことができます。

 発音できない音は聞き取れないという法則は合っていると思います。私も英語の発音記号を覚えて、その発音をベースに洋楽を歌いまくたったことによりTOEICのリスニングパートが飛躍的に伸びました。

 

歌詞の一字一句にはこだわりがある
最近のハリウッド映画には「偶然映ったシーン」というモノが決してないそうなのですが、それと同様、歌詞というものは多くの場合、言葉にこだわりを持ったアーティストが命を削るような思いで書き綴っている作品です。
最近の音楽業界の流れでいうと、そのアーティストが持ち込んだ作品がプロデューサーによってダメ出しされ、何度も修正されたものがまた会議にかけられる、というような過程を踏んでいたりもします。なので、一つ一つの言葉の選び方、並べ方、言い回し、構成などには大抵の場合ちゃんとした理由があります。何度も何度も書き直しを続けた結果の最終形がCDやmp3ファイルなどの形でリスナーの手元に届くわけですから、同じ意味の単語でも例えば、「autumn」ではなく「fall」と言うからには、なんらかの意図が隠されているはずです。


曲の雰囲気や文脈から、言葉それぞれの持つ温度感やニュアンスなどを感じるには、歌詞に使われている言葉は最高の教材です。そして、世界的に有名な曲は、多くの人がその曲の歌詞の一部なり、メロディーなり、リズムなり、歌手の外見なりに何かしらの良さを感じるというフィルターをすでに通過しています。昔の名曲にいたっては、時間の経過というなによりも過酷な試練を経てきているわけです。名曲の言葉に触れるということには「同じ曲を知っている誰かとつながる」という意味も含め、やはり少なからずの価値があるのではないかと思います。

 

ボブディランがノーベル賞を受賞したように、2PacのDear Mamaの歌詞が素晴らしいと認められているように、名曲の歌詞は芸術であると思います。

読んでいるだけで感動します。まさに教材としては最高だと思います。スラングが良くないという意見がありますが、ビジネス英語や普段の会話に使って良いものと良くないものの区別くらいは誰でもできると思います。

 

■曲の選び方
では、どんな曲の歌詞を覚えるのがよいのか? という疑問が出てくると思いますが、やはり、英語の学習という要素だけでなく、今後の人生の役に立つかも知れない選曲がオススメです。特に最初の段階では「世界的に有名な曲」は外さない方がいいかと思います。さらに、歌詞の内容が分かりやすく、はっきりと歌詞が聞き取れる歌い方をするアーティストの曲が無難です。

 

洋楽の歌詞には、人生、恋、家族、社会や世界について、ビジネスについて学べることがあるといつも思っております。

 

世の中には例えば、Bob Dylanの『Ballad of a thin man』という曲のように、何が言いたいのかさっぱり分からないような曲もあり、この曲の歌詞の丸暗記を試みた、当時高校2年生の僕は「この曲はいったいぜんたい何が言いたいんだ!? Mr.ジョーンズがどうしたっていうんだ?」と、えらく困惑した記憶があります。
少なくとも最初は、意味が分かり、共感できる曲を選んでください。ちなみに、僕が最初に歌詞を覚えた英語の曲は、The Beatlesの『Yesterday』でした。比較的最近の曲の中では、James Bluntの『You're Beautiful』あたりも歌詞がけっこう短いので、最初の曲としては良いかと思います。


英語は日本語ほど男女間の言葉の使い方に差はないのですが、それでもやはり基本的には、男の人は男性ボーカルの曲、女の人は女性ボーカルの曲をチョイスするのが良いかと思います。新しい曲を一から覚えるのも良いですが、とりあえずはよく知っている曲から取りかかるのがベターでしょう。いずれにしても、聴くと腹が立つような生理的に嫌いな曲ではなく、自分の好きな曲を選んで下さい!

 

著書でも書いておりますが、私も自分が好きな曲、感動する曲を選ぶべきだと思います。それが一番だと思います。

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To be continued .........................

 

■ 歌詞の覚え方
歌詞を覚えるメリットや曲の選び方は分かったけど、一体どうやって覚えていったらいいの? という問題が次に浮上してくるかと思います。
ど真ん中ストレートな回答をすると、これは繰り返し歌ってみるしかありません。最初は歌詞を見ながら歌ってみて、段々覚えてきたら、歌詞を見ずに歌ってみる、というのが王道です。
CDなどを聞きながら一緒に歌ってみる練習と、何もなしで歌ってみる練習の両方はやっておきたいところ。ギターなどの楽器ができる人は、弾き語りでの練習も将来立派なキリギリスになるためには効果的です。この作業をする場合も、例えば、3回歌詞カードを見て歌ったら、一度歌詞カードを見ずにやってみるといった風に、ある程度のフレームを決めて練習していくと、自分の進歩が目に見えて分かります。また、CDに合わせて歌う場合は、途中で歌詞が分からなくなっても、歌詞カードを見ずにできるだけ曲の最後まで歌い切ってください。

しかしながら、繰り返し歌っているだけでは、「曲を覚えている」というカラオケの練習的な作業以上の意味を持たなくなる可能性があります。そこで、ぜひやって頂きたいのが、歌詞を書き出すことです。
この記事で一番大事なのはここなので、是非しっかりと読んでください!
歌詞をある程度覚え、歌詞カードを見なくても歌えるようになってきたら、今度は自分で歌詞カードを作成してみます。この作業に必要なのは、紙とボールペンだけです。紙にまず曲のタイトルを書き、その下に曲の歌い出しから最後までの歌詞を一字一句書き出してみます。手書きで一字一句、というところがポイントです。鉛筆やシャーペンなどではなく、できれば黒か青のボールペンを使いましょう。

 

最後に、とりあえず目標曲数は100曲とのことです。私は自身は曲数など何回繰り返すかなど明確な指標はなかったですが、基本固めとして曲数にして100曲が必要だということ繰り返す回数は30回を目安にすると良さそうです。

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■とりあえず目標100曲!
何曲くらいの歌詞を覚えると良いのか? は個人差もあるので、なかなか一概には言いづらいですが、とりあえず100曲を目標に覚えていくと良いかと思います。一曲や二曲覚えたところで、英語力はさほど変わりません。100曲くらい覚えると、数多くのアーティストの言葉やフレーズが頭の中のデータベースに登録され、活用できるレベルに近づきます。
曲を覚える作業も、最初の一曲は確かに時間がかかるかもしれませんが、沢山やるにつれて段々要領を得てくるはずです。それに従って、英語のセンテンスを覚える能力も上がっていきます。
歌詞の丸覚えのメリットは、覚えている歌詞のストラクチャーはそのままに、単語を入れ替えるだけで新しい文章を作れるという便宜的なものから、変な文章を見た時に文法云々の説明ではなく、なんとなくな違和感でこれは変だと気付けたりという感覚的なものまで、多岐に渡ります。さらに、カラオケのレパートリーも増えるオマケつきです。将来的には、覚えた歌詞について異国の人と意見を交わせる日がやってくるかもしれません。
100曲なんて絶対無理! と思う方も多いかと思いますが、何かを学習するというのは、一つのやり方でできるだけ深く掘り下げて行くほうが、遠回りのようでいて実は近道です。今回ご紹介した方法は、英語の本を100冊読んだり、映画の台詞を丸暗記したりするよりは、確実に楽しめる要素が多いのではないかと思います。
しかも、100曲くらい覚えるとなると、自分が選んでくる曲の偏りもある程度抑えられます。それでいて、リスニングもスピーキングもスペリングボキャブラリーもグラマーも記憶力も音楽に関する知識も、うまくいけば歌唱力やリズム感までをもレベルアップできる、なかなかオールマイティーな方法です。
人に教えてしまうのがもったいなくて今まで隠していたわけではないのですが、どんな風邪でも治せる万能な風邪薬がないのと同様に、どんな学習法でも万人向けということはありません。方法を提案することはいくらでもできますが、結局それをやるのもやらないのもあなた自身なので、今回のやり方が理にかなっていない、もしくは音楽なんか好きじゃないという方は、他のやり方をお探しください。また、この学習法のみで英語ができるようになるという、スタンドアロン型の学習法ではたぶんないので、他の学習法との併用がオススメです。
この手法は、英語学習法としてもなかなか優秀だったとは思うのですが、高校生の頃に音楽を通じてたくさんの美しい言葉に触れることができたことが、その後、翻訳や通訳、作詞、ライター業など、言葉を扱う仕事に就くことになり、ローンが組めない、ボーナスもない、クレジットカードの審査が通らない、という輝かしいキリギリス的フリーランス生活を送っている僕の、なによりの財産になってくれているように感じます。これをこうして共有することで、誰かの役に立てるのであれば光栄です!

(まいるす・ゑびす)

 

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