面白い記事があったのでメモとして、、
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前回もちょっとお話ししましたが、人生において仕事の占める割合は、せいぜい3割程度です。家族や恋人との営み、友人との語らい、そして個人の楽しみのほうがはるかに大きな割合を占めるはずです。
そう言うと「仕事を舐めているのか!」とお怒りになる方もいらっしゃるかもしれません。「すべてを仕事に捧げるくらいじゃないと、本当にいい仕事はできないぞ!」と思っていらっしゃる方もいるでしょう。
でも、私に言わせると、「仕事が人生の全てだ」というほうが認識としては「甘い」と思うのです。
現実に生きていて、仕事が人生の100%であるわけがありません。ところが「仕事が人生の全てだ」と考えると、自分の個人的な趣味嗜好や価値観、好き嫌いなど、仕事に本来関係ないはずの思考を、仕事に持ち込もうとするようになります。つまり、悪い意味での公私混同が始まるのです。
経営に「趣味や好き嫌い」が持ち込まれる
業績の悪くなった会社のトップの様子をうかがうと、経営のプロフェッショナルとしての経営判断ができず、趣味で経営をこなしているというケースが少なくないのです。経営で重視すべき数字やファクトやロジックではなく、世間体や自分の好みや、うらみつらみ、こういったもので経営を判断しているのです。それではうまくいくはずはありません。
そして、このように自分の中途半端な価値観や趣味嗜好を経営に反映する人は、往々にして仕事人間であり、「仕事が人生の全て」と言い切ってしまう人だったりするのです。
また、「仕事が人生の全て」派の人は、実は自分の趣味嗜好を経営に織り込んでしまうため、自分とあうんの呼吸で仕事をできない人をすぐに排除してしまいます。
すると、どうなるか?
組織が同質化します。ダイバーシティ=多様性が失われます。残された人にはきわめて居心地のいい場所になりますが、外部からの知的な刺激がどんどん失われて行きますから、組織が丸ごとダメになります。
私は「仕事は人生の3割」と明言しています。自分の感情を、主観を、趣味を、人生の7割に注ぐこと。つまり、最良のパートナーを見つけること。家族をつくること。次の世代を育成すること。そしてみんなで楽しく食事をし、愉快に遊び、旅に出ること。本や映画や音楽を堪能すること。
From : 日経ビジネスOnline
60歳と30歳で会社をつくる
仕事人間ばかりでは、組織が丸ごとダメになる多様な議論の応酬が組織を強くする~出口治明編
URL : 仕事人間ばかりでは、組織が丸ごとダメになる:日経ビジネスオンライン